安楽寺内の喫茶室。ここだけの話、見るべきものは喫茶室と山門だけ。
法然の弟子・住蓮房と安楽房は美声ということで宮中の女性に人気があった。美しい声の説法は女性をあらぬ方向に
駆り立てる。女性ふたりが東山の草庵で剃髪、尼になってしまう。彼女らがふつうの女なら問題はなかったのだが、
好事魔多し、ふたりとも後鳥羽上皇の寵妃で、おまけに上皇が熊野詣の最中の出来事だった。
頭に火を飛ばして怒り狂った上皇、住蓮房・安楽房の首をはね、法然を土佐に流した。法然の弟子のひとり親鸞も連座
ということになって越後配流となる。いわゆる建永の法難である。
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