ハイランドの珠玉はダノッター城 グレンフィナン アイリーン・ドナン城 グレンコー、スカイ島である
 
グレン・コーは、フォート・ウィリアムからA82を南西に25キロ進んだグレンコー村からはじまる東西24キロの峡谷。

グレン(Glen)=峡谷と名づけられている山岳地帯は、反り上がる岩山と平地とがうまく配分されて、ドライブに格好の場所である。
大きく緩やかにカーブする道路によって刻々と変化する山並みをドライバーも見ることができ、雲が陰影をつくるようすも観察できる。
 
ほぼ東西に流れるコー川の南にスリーシスターズと呼ばれる3つの山がそびえており、標高は1148m、958m、1019m。
 
 
グレンコーについては1999年10月のスコットランドの旅で記したからくり返さない。グレンフィナンは別としてハイランドは秋がいい。
夏も美しいけれど、晴れた日はあっけらかんとしてハイランド特有の荒涼は期待できない。
 
North Yorkshireに記したが、荒涼たる風景に一体感を見出す者としては解放感も望みがたく、肩すかしを食ったような気分になる。
 
 
山に登るといっても山頂をめざす登山ではない、中腹あたりまで登って撮影する。
 
人気のない広大な自然のなかにいると、空と雲、山と湖が一体化しているように感じる。そしておもしろいことに、それらの命が
独立した存在であるかのごとくせまってくるのだ。山影の静寂は、大きな手になった雲が押さえて生まれる。
 
 
すっきりくっきりすぎて、日本にいるのとほとんど変わらない。
 
 
 
コー川の向こうに一軒の家が見える。無人の家だ。
 
 
夏でも天候は定まらない。一天にわかにかき曇りというわけのものではなく、このあたりは突然霧状のガスが発生する。
そうなると太陽はさえぎられ、冷気が襲ってくる。気温はたちまち低下、巨大な天然冷蔵庫となる。
 
 
みるみるうちにわき上がった霧状の雲も参加して、地上の温度をぐんぐん下げてゆく。
 
 
コー川
コー川
 
 
 
 
 
道路はあるが狭い。普通乗用車なら問題はないけれど、大型バスはギリギリだろう。
 
 
 
 
 
 
エティーブ川
エティーブ川
 
 
エティーブ川
エティーブ川
A82を東に向かって走っていると、キングス・ハウスという名の一軒宿のすこし手前に右折する道がある。
かなり細い道だが、そういう小道の先に何かがあるのはハイランドや北イングランドの常。
 
そのままエティーブ川に沿って南西方向に進まねばならない。
 
 
ハイランド名物マウンテンバイク。人っ子ひとりいない地で自転車乗りを見るとホッとする。
 
 
 
 
エティーブ湖
エティーブ湖
 
エティーブ湖(Loch Etive)は南北東西に細く曲がりくねって全長30約キロにおよぶ。ハイランドも含めて
スコットランドのロッホ(Loch)は幅が広めの川といっても差し支えない。
 
 
エティーブ湖
エティーブ湖
この時期、この時間、自転車乗りは5キロ四方を見渡しても影さえない。
山に登ったのか、湖にもぐったのか、お〜いと声を出して呼んでみたい気もして、もう一度山すそ、稜線、湖の遠く
まで見やった。リュックサックに何がはいっているのだろう。それにしても置きっ放しにするなんて。
 
 
 
 
エティーブの森
エティーブの森
 
 
 
 
時間の推移とともに光も微妙に変化し、空気の色が変わる。それだけのことなのに見飽きない。